即興音楽とインプロ、音と声と彼方との邂逅

即興実験工房 ゆにわ

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『世界の調律』
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最近ひょんなきっかけで手にしたこの本。
カナダの作曲家マリー・シェーファーによる「サウンドスケープ(耳で捉えた音風景)」に関する膨大な思想体系を著した名著である。
楽音、騒音という区分に囚われず「音」そのものを体験する事によって起こる思想、文学、哲学、科学、社会心理学など、多岐にわたる切り口によって、読者の音体験に疑問を投げかけ、耳を開かせる素晴らしい本。
音楽家のみならず「音」に興味のある全ての方に一読をおすすめしたい。

この本を読んで以来、日常の何気ない時間があらためて聴覚によって再認識される。
今パソコンに向かう時間の中でも、
「キーボードをたたく音」
「パソコンの冷却ファンの持続音」
「隣家のボイラー」
「猫の足音」
「電球のノイズ」
「蚊の羽音」
「耳の奥のシーンという音(神経システムのノイズとも言われる)」
「遠くのカエルの鳴き声」
「さらに先の車の音」
など、多くの音事象に囲まれて、この空間が満たされている事が分かる。

そうして、これらの音を「持続音」と「単発音」に分類したり、それぞれの中心音から、今の環境音に含まれる「和音」や「基底音」を探してみたり、それとハモってみたりするという新たな愉しみを試みている。

先日は龍頭ヶ滝への道中、目をつむって妻に道を先導してもらって歩き(インプロの『運転手』というエクササイズ)川のせせらぎがハモっている場所を探したり、滝の持続音に対して上がったり下がったりする声を発して、音による水の崩落の視覚的変化を楽しんだりした。

『聴く』という行為は、非常に受容的な行為であって、たとえそれが能動的になされたとしても、なおかつエコロジカルなものである。
音を発すれば、その環境に新たな素材が加わる事になるが、そこに間違った音を加えてしまうと、たちまち今そこにあった環境の調和が破壊されてしまうのと対極的である。

こうした一連の聴覚覚醒の作業を、著者は「イヤー・クリーニング」と称して幾つものエクササイズを紹介しており、これは雑多でローファイな人口音にさらされ続けて自然な聴覚を失いつつある現代人にとって、非常に重要な「感覚の再構築」を促す。

余談ではあるが、実際にこのエクササイズを2~3週間続けながら、昨日久しぶりに英会話のレッスンを受けに行ったのだが、特に練習をしたわけでもないのにヒヤリングが格段にアップしていて驚いた。
「イヤー・クリーニング」の効果、他にもいろいろと見つかりそうである。
是非、おすすめしたい。
| おと | 00:52 | トラックバック:0コメント:3
コメント
最近音は、自立的な生物なのでは?と考えてます。
部分発生が交差すると、振動数をあわせようとする性質がある気がする。あるきっかけから一定の構造を形成しそして分解していくようです。

茶室にたどり着くまでの音響を、楽しむことの意味が最近解るような気がします。
2006.06.18 Sun 01:43 | URL | roku
>rokuちゃん、コメントありがとう!
発音体の持つ同調現象ですね。
この性質は確かに有機体的だなと思います。
音そのものに意図(意思)があるかのように作用しますね。

そこに構造を見いだすのは、むしろ聴者の意識であって、実際には構造と呼べる物は何もないのかもしれません、いや、むしろ全ての事象は同様に構造的であるのに、慣性によって我々の神経組織がそれを認知していないだけなのかも?
2006.06.19 Mon 01:55 | URL | UTA
歌島様
 突然すみません。3月下旬に一度、理事長 神田がお電話させていただいていると思います。神田は、歌島さんの
ワークにも参加させていただいております。歌島さんに
インプロワークショップをお願いしたい件で、お電話をさせていだていておりますが、連絡がとれず、このような形で、申し訳ございません。10月下旬か11月上旬の土曜、あるいは日曜にお願いしたいと思います。お忙しいところ大変お手数ですが、一度、メールかお電話をいただけませんでしょうか。TEL/FAX 0852(22)4937です。よろしくお願いいたします。NPO法人 おやこ劇場松江センター 大島
2006.06.29 Thu 12:08 | URL | おやこ劇場松江センター
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出雲在住 即興ピアニスト、ヒーラー 

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