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即興音楽とインプロ、音と声と彼方との邂逅

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ひそやかな音楽
僕自身がはじめてモンポウ作品に触れた最初の曲集が『ひそやかな音楽』でした。
色々と新しいピアノ作品はないかとネットの海を徘徊していたところ、『沈黙を奏でる』という僕自身のテーマにもリンクしていたこのタイトルに導かれて自作自演集のアルバムを購入。この出会いから自分自身の即興演奏のスタイルが大きく変化するような衝撃を受け、気付けば氏の墓前に詣でる為にバルセロナまで旅したくらい...モンポウの音楽は強烈に僕を惹き付けました。

この曲集のタイトルは、スペイン神秘主義の思想家で詩人であるSan Juan de la CruzによるCantico Espiritualの中にある『la Musica Callada, la Soledad Sonora....(ひそやかな音楽、鳴り響く孤独)』という一節からとられた28曲の小品集。
各曲の詳しい説明はwikipediaひそやかな音楽にありますので割愛しますが、この作品集は一気に連続して仕上げられたものではなく1959年から1967年にかけて、本当にぽつりぽつりとメモ書きでもするように書きためられて言ったような、極めてプライベートなものだったと言います。現在サラベールから楽譜が出版されていますが、当初本人はこの曲集はあくまで自身が弾いて楽しむためのもので、出版にはあまり乗り気でなかったといいます。

全曲弾いても一時間程度、1ぺ-ジから長くても4ページ程度の小品ばかりですが、1曲ごとに独特の響きやスタイルがとられていて、時折ジャズっぽいコードが出てきたり、メロディーが歌いだしたかと思うと、それが滲んで12音階技法ような無調の響きの中に埋没したり。

僕にとっては、いつでも繰り返し読み返したくなるようなバイブルのような曲集。この音楽を奏でてみると、ひとつひとつの和声や音符が非常に吟味されているのが分かると思います。曲相は至ってシンプル。テクニカルで音数の多いパッセージなどは全くなく、虚飾や過度の感情表出を排除し、ぎりぎりまで削ぎ落とした音楽の結晶のようにさえ感じます。そして、いつしか立ち上ってくる背景の沈黙。
詩が言葉そのものよりもむしろ行間によって語るように、音と音の間にある沈黙に自ずと耳が開いてくる。そうしていくうちに、いつしかモンポウの聞き取っていた静寂、沈黙と同じものを聞いているような気がしてくる。これは僕の思い込みかもしれませんが、楽譜を通して、弾く度に氏に出会っているとさえ思います。それは今までに触れたどの音楽家にも感じた事のない感覚でした。
その体験を繰り返すうち、自分自身が奏でるピアノの音色、タッチ、和声の自由度などが明らかに変化しました。それはもうすっかり自分の中に同化してしまって、以前の感覚には戻れなくなっています。

未だ決して『ポピュラー』の枠組みには入らないモンポウ作品ですが、幾つか録音が出ています。

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前出の『モンポウ ピアノ曲全集(4枚組)』は自作自演によるものです。若干マスターテープが延びていてダブリングや音揺れがあったりしますが、独特の間と絶妙なタッチは他の追従を許さないものです。
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アリシア・デ・ラローチャ『モンポウ・リサイタル』
作曲家自身とも交流があり、ひそやかな音楽の第4集の初演そして献呈を受けている、いわばお墨付きの演奏。素晴らしいです。本人演奏のものと比べると、若干都会的な響きがするような感じがします。自作自演集に漏れている『歌と踊り14番』も収録されています。
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現代音楽の解釈では他の追従を許さない高橋悠治さんが昨年録音されたアルバム。邦題は『沈黙の音楽』となっています。ベーゼンドルファーを使用した骨太な演奏で、枯れるような静けさではなく、力強い意思を持った沈黙とでも言いましょうか。独特の解釈は一聴の価値があります。アルバム発売の後、福岡で開催されたコンサートで生の演奏も聞かせて頂きましたが、曲順通りではなくランダムに選びとって、よりアグレッシブな解釈をされていました。

その他、日本にモンポウを紹介した功労者、熊本マリさんやヘルベルト・ヘンクがECMで録音したものなどもありますが、まだ聞いていません。

それでも、やはりこの音楽の真価は実際に楽譜を手に取って、生のピアノで奏でてみてより分かると思います。楽譜は輸入になりますが、アカデミアなどでも取り扱っています。
| モンポウ | 01:33 | トラックバック:0コメント:0
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出雲在住 即興ピアニスト、ヒーラー 

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